黒石市は、県から旧黒石商業高校の第1体育館と柔剣道場を譲り受け、それぞれ全天候型トレーニングセンター(全トレ)と武道場を整備する方針だ。全トレは市初の施設。市は取得後10年間、用途を変更しないことなどを条件とする負担付き贈与の受け入れに関する議案を27日開会の市議会定例会に上程する。可決されれば県と本契約を結び、改修工事と所定の手続きを経て開館する。
両建物は、旧黒商高(2021年度末閉校)敷地の南東側にあり、敷地内の建物周辺土地なども贈与の対象となる。校舎は黒石養護学校の移転先として活用される予定で、県が現在、既存校舎の改修に向けて一部校舎の解体工事を進めている。
市教育委員会によると、両施設は市内スポーツ団体などから整備が要望されていた。黒石中学校付近にある現武道場は1981年建設で老朽化が進んでいた。市は県との協議を経て1月9日に贈与を申請し、同24日に仮契約を結んだ。
市教委は利用競技として、全トレは野球やサッカー、グラウンドゴルフなど、武道場は柔道、剣道、空手道などを想定。山口祐宏文化スポーツ課長は、両施設の整備が市民の健康増進に寄与することにも触れた上で「市は一市民一スポーツの推進を掲げている。開館できたら多くの市民に利用してほしい」と話している。